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冬のインターンシップはなぜ短期で終わるか

東洋経済オンライン 1/12(木) 6:00配信

 就職活動におけるインターンシップの重要性は増している。大学3年生の夏休みや1~2月頃に開催されるインターンシップは、就職活動として早すぎると感じるかもしれない。経団連という日本最大の経済団体が「採用広報開始は3月1日から、選考開始は6月1日から」と定めているから、学生が「早すぎる」と感じるのはもっともなことだ。

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■1時間の面接では見極められない

 しかし、実は、全ての企業がこの就活スケジュールに則っているわけではない。2016年卒入社の新入社員に話を聞いたところ、サマーインターンシップに参加してそのまま内々定、という学生もいる。のんびりしていると就活の成功確率が低下してしまう。インターンシップに参加した学生と、参加しなかった学生の内定獲得の差は、歴然としているのだ。

 企業もインターンシップを重視せざるを得ない事情がある。近年は採用日程がタイトになっており、面接する時間も限られている。1時間未満の面接では学生を見極められない。そこでインターンシップで学生に会い、資質を見極めようとしている。「インターンシップで熱心に質問する学生は印象に残る」という。学生にとっても早くから企業と接し、職場に入って先輩社員の職務風景を見ることは有益だろう。

夏と冬はどこが違うのか

 さて、そのインターンシップは開催時期によって夏(サマー)と冬(ウィンター)に大別されることが多く、期間や内容が異なっている。インターンシップの実態をHR総研が11月に実施した2017年新卒採用最新動向調査からレポートする。

 調査データを見る前に新卒採用とインターンシップの歴史を少しだけ遡ってみよう。新卒採用の歴史の中で大きな変化となったのが、1990年代半ばに登場した「就職ナビ」で、それまで紙に印刷された就職メディアを駆逐した。そして2000年代に就職ナビ全盛の時代が訪れ、就職ナビのオープン日が採用活動の事実上の解禁日になっていた。その時期も今と比べるとかなり早く、2012年卒生までは、3年時の10月1日が就職ナビのオープン日となっていた。この日程に対し「あまりにも早すぎる」「そもそも就職ナビに問題がある」という批判が生まれた。

■早期化抑制で「5日間以上」と明記

 そこで経団連は2011年に現在の「採用に関する指針」にあたる「倫理憲章」を改定。2013年卒生の新卒採用から、採用活動を広報活動と選考活動に分け、広報活動は12月、選考活動は4月から(当時)、とすることを明示した。全ての企業で守られているわけではないものの、ここ数年の新卒採用に絶大な影響を及ぼしていることは間違いない。

 同時に事実上の会社説明会となっていた半日から1日程度開催する1dayインターンシップの抑制策として、広報活動の開始日より前に実施するインターンシップについては「5日間以上の期間をもって実施」と定義した。

 そもそもインターンシップは、国によって時期や期間、目的が異なっている。辞書には「実務能力の育成や職業選択の準備のために、学生が一定期間、企業等で仕事を体験する制度」(広辞苑)、「学生が企業で短期間業務を体験すること」(大辞林)とあるが、抽象的だ。

 日本でのガイドラインには、「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」(文部科学省・厚生労働省・経済産業省)と「インターンシップの導入と運用のための手引き」(文部科学省)があり、就業体験を通した人材育成という位置づけとなっている。

 こうした一連の流れから、現在の経団連の指針では採用広報解禁日の3月1日以前のインターンシップは、「学生に就業体験の機会を提供する」ため「5日間以上」の確保を企業側に求めている。

 しかし本当に5日以上のインターンシップが確保されているのか?  実態を見てみよう。

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最終更新:1/12(木) 6:00

東洋経済オンライン