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米メジャーリーグが「トランプ大統領」に戦々恐々の理由

NEWS ポストセブン 1/25(水) 7:00配信

 新大統領の動向に気を揉んでいるのはグローバル企業だけではない。立教大学で「スポーツビジネス論~メジャーリーグの1兆円ビジネス」の教鞭を執る古内義明氏(スポーツジャーナリスト)が指摘する。

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 新年早々、厳戒態勢が敷かれるマンハッタンのトランプタワーに、MLBのロブ・マンフレッド・コミッショナーと、ヤンキースのランディ・レビン社長が姿を現した。ドナルド・トランプ大統領との会談内容は明らかになっていないが、野球界の「現状と未来」について話し合いが持たれ、トランプ大統領が何らかの私見を示したことは想像に難くない。

 先日の就任演説でも、「アメリカ第一主義」を掲げたトランプ大統領。とりわけメキシコ国境に壁を建設する公約に象徴される「移民政策」は、野球界にとっても大きな懸案事項なのである。

 昨年の開幕時点で、メジャーでプレーする外国籍選手は27.5%に上り、バド・セリグ前コミッショナーが押し進めてきた「国際化」は確実に成果を上げている。特にメキシコは国別ランキングで第5位となる12名のメジャーリーガーを送り込む人材供給源の常連国。重要な友好国であり、過去数えきれないほどのスターを輩出してきた。

 さらに、メキシコは1996年、史上初めて海外公式戦を開催した歴史的な場所なのだ。ワールドシリーズの海外視聴数でも首位の座にいるし、マンフレッド・コミッショナーは中南米マーケットを意識して昨春、首都メキシコシティにMLBの支社を開設したばかりだ。

 気になる点はまだある。バラク・オバマ前大統領はキューバとの国交正常化交渉を開始し、昨年には首都バハマで、ラウル・カストロ国家評議会議長と野球観戦をした。これまでキューバの選手と言えば、亡命をするしかメジャーでプレーする道はなかったが、昨季は国別ランキングで第2位に躍進する23人のメジャーリーガーを誕生させた。しかし、トランプ大統領が就任当日にオバマケアの撤廃に向けた大統領令に署名したように、キューバの外交政策も見直す可能性すら取り沙汰されている。

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最終更新:1/25(水) 7:00

NEWS ポストセブン