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Jリーグ放映権を“黒船”に奪われた「スカパー!」の悲劇 ダ・ゾーンが超強気な理由

現代ビジネス 1/30(月) 11:01配信

 長年苦楽をともにしてきたスカパー! を袖にして、Jリーグが新たな中継パートナーに選んだのは巨額の契約金を提示したイギリスの企業。その額、なんと2100億円。いったい、どんな会社なのか。

視聴者に「深くお詫び」

 衛星放送の大手・スカパー! の公式サイトに、高田真治代表取締役による前代未聞の「お詫び文」が掲載されたのは、昨年12月15日だった。

 「スカパー! での放送を楽しみにしてくださっていた皆様に、このようなご報告をせざるを得ないこと、また今日までご連絡が遅くなりましたことを、深くお詫び申し上げます。誠に申しわけございません」

 こう綴られた文中で、同社はJリーグの試合中継から「完全撤退」することを発表したのだ。

 スカパーは'07年に、Jリーグの全試合放送を開始。「サッカー中継といえばスカパー」というイメージを着々と築いてきた。その撤退に、多くのサッカーファンから驚きと悲鳴が上がった。

 事の発端は昨年。Jリーグは半年にわたる放映権交渉の結果、'17年シーズン以降のJリーグの独占放映権(無料テレビ放送を除く)をスカパーではなく、インターネットスポーツ中継サービス「ダ・ゾーン」を展開するイギリスのスポーツコンテンツ企業、パフォーム・グループと契約すると発表したのだ。

 何より耳目を集めたのが、その「破格」の契約額だった。最終的にパフォームがJリーグ側と結んだ契約額は10年分で約2100億円。それまで例年スカパーが支払ってきた金額は1年あたり約50億と言われ、単純計算で実に4倍強にもなる。

 「焦ったスカパーはパフォームに対して中継権の二次受け交渉を水面下で続けてきました。Jリーグ内部にスカパーを支持する人も多く、なんとかなるのではないかと思われていましたが、パフォーム側からは相当厳しい条件を突きつけられた。年が明けて万策尽き、ついに完全撤退を決めたのです」(Jリーグ関係者)

 昨年8月に日本でのサービスをスタートしたダ・ゾーンは、メジャーリーグやF1をはじめ世界中の130を超える競技、約6000試合以上の中継を月額1750円(税抜き)で楽しめる画期的なサービス。日本での配信開始にあたり、目玉コンテンツとして白羽の矢を立てたのがJリーグだった。

 Jリーグは'93年の開幕当初、ジーコやリネカーら、世界的な超一流選手たちを迎え入れ、一大ブームを巻き起こした。民放各局は試合を連日地上波で生中継し、日本中がJリーグブームに沸いた。

 だが、熱狂しすぎたブームは去るのもまた早い。民放各局に見放されたJリーグは、ほどなくして地上波放送がほとんど行われなくなり、新たなファン層の拡大に苦慮する「冬の時代」が続く。

 そんななか、Jリーグに救いの手を差し伸べたのがスカパーだった。

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最終更新:1/31(火) 17:46

現代ビジネス

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