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それでも韓国と仲良くしないとダメなのか? 「経済」「観光」「安保」のメリットは…

デイリー新潮 2/6(月) 8:00配信

■心地よい言葉の誘惑

 他方、安保問題はどうか。

「地政学的に見れば、朝鮮半島は、中国、ロシアといった大陸国家と、アメリカ、日本の海洋国家のせめぎ合いの地となってきました」

 と述べるのは、韓国防衛駐在官も務めた元陸将の福山隆氏である。

「そして現在、韓国は戦争状態が続いたままで、あの北朝鮮と向かい合っている。朝鮮戦争の際、日本から米軍機が出撃したのは延べ130万回。それらの航空機が投下した爆弾の量は、広島の原爆46個分に相当します。日本という後方基地がなければ、武器弾薬や食糧といった物資、兵員の補給はままならなかったし、それは今も同じ。米軍といえども、在日米軍基地がなければ、半島有事に対応することは出来ないでしょう」

 一歩間違えれば、韓国にとって死活問題へと繋がるのが、日本との関係なのだ。

 むろん、この問題は裏表。日本にとっても、韓国が敵側に落ちれば大きな脅威となるのは間違いない。ゆえに韓国とは手を携えるべしという議論もあるけれど、

「落とし穴もある」

 と言うのは、産経新聞の黒田勝弘・ソウル駐在客員論説委員である。

「7世紀の白村江の戦い以来、日清・日露戦争、満州国建国に至るまで、日本は北からの脅威に備えて、朝鮮半島に“入れ込んだ”。しかし、逆にそのことによって、引き込まれ、足抜け出来なくなり、結果、海洋国家のアメリカと対立して、戦争、敗戦に至りました。その歴史的教訓は“北方からの脅威に備えよ”“しかし、アジアに深入りするな。海洋国家の分をわきまえよ”というもの。朝鮮半島との付き合い方はこれが秘訣で、距離をとって付き合うことが必要。決して“アジアと仲良く”“アジアと共に”“東アジア共同体”などの心地よい言葉に誘惑されてはいけないのです」

 韓国をクールに利用する、すなわち「用韓」の考え方が重要だと言うのである。

『悪韓論』著者で、元時事通信ソウル特派員の室谷克実氏も言う。

「日本人には“隣国と仲良くしなければいけない”“仲良くしなければアジアで孤立する”という精神が根強く残っています。これが韓国への甘い対応を生んでいるのですが、世界を見渡せば、アメリカとメキシコ、イギリスとアイルランドなど、近くにある国は必ずしも関係は良くない。近いが故に利害対立は起きるもの。隣国であるというだけで仲良くしなければいけないというのは、町内会と国際社会を同一視した幼稚な主張で、『世界標準』から外れた誤った考え方です」

 この点、未だ“関係強化”の社説を並べる「朝日新聞」「毎日新聞」などはいざ知らず、大半の国民がそうした事実に気付かされたのが、今回の慰安婦像を巡る一件ではなかろうか。

 すなわち、これで日本が対韓融和などという失敗を二度と繰り返さないのであれば、元慰安婦への支援金「10億円」も、決してドブに捨てたことにはならないのかもしれないというワケだ。

特集「竹島に『慰安婦像』は時間の問題!  それでも韓国と仲良くしないとダメなのか?」より

「週刊新潮」2017年2月2日号 掲載

新潮社

2/2ページ

最終更新:2/7(火) 11:39

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