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慰安婦像問題について、安倍総理が韓国に冷ややかな理由

文春オンライン 2/10(金) 7:00配信

「安倍晋三は生まれついての戦略家である」

 イギリスのチャーチル元首相を引き合いに出しながら、米戦略国際問題研究所の上級研究員エドワード・ルトワックにこう言わしめた安倍総理は、2015年末、どのような思惑で日韓合意に臨んでいたのか。

『総理の誕生』(文藝春秋刊)の執筆者で、産経新聞政治部記者の阿比留瑠比氏が、昨年末から続く韓国・釜山の日本総領事館前に設置された慰安婦像の問題について、安倍総理の考え方や今後の行方を分析する。

慰安婦像設置に「安倍政権は甘い」との声 

 2016年末、韓国・釜山の日本総領事館前に、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を約束した日韓合意にも、公館の威厳を定めた国際法(ウィーン条約)にも違反する新たな慰安婦像が、民間団体の手で設置された。韓国政府はおろおろするばかりで、この暴挙を事実上、黙認した。

 これに対する日本政府の動きは迅速だった。官房長官の菅義偉は1月6日、駐韓国大使と駐釜山総領事を帰国させ、金融危機時にドルを融通し合う通貨交換(スワップ)協定の再開に向けた協議は中断された。経済協力を次官級で話し合う日韓ハイレベル協議も延期となった。

 2015年末の日韓合意に反発していた国内の保守派からは、予想通りこんな安倍政権批判が沸き起こった。

「韓国に対し、あんな合意で慰安婦問題が解決できると考えた安倍政権は甘い」

「(政府が拠出した)10億円を韓国にただ取りされてしまった」

 それでは、安倍政権は日本政府が過去ずっとそうしてきたように、またもや韓国を甘やかし、韓国を信じて日韓合意を結んだのだろうか。私は全く違うと思う。

 安倍晋三は2015年末の日韓合意締結時、周囲に「これで最終決着の確証はあるのか」と問われ、こう語っていた。

「それは最後のところは分からないが、ここまでやった上で違約したら、韓国は国際社会の一員として終わる。今まで(河野談話やアジア女性基金)と違って、国際社会が注目していることだから」

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最終更新:2/10(金) 19:51

文春オンライン

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