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死海文書「第12の洞窟」を発見、50年ぶり

ナショナル ジオグラフィック日本版 2/15(水) 7:20配信

数十年前に盗掘されていたものの、科学者には大きな手がかり

 20世紀最大の考古学的発見とも言われる「死海文書」。先ごろ、それらと関連の深い第12の洞窟が発見された。盗掘を防ぎ、文書の偽造を見抜くための新たなヒントが得られるかもしれない。

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 先日、イスラエルの発掘チームにより、死海文書の洞窟の発見と、その発掘調査の成果が発表された(死海文書の洞窟の発見は1956年以来)。洞窟からは数多くの保管用の壺が見つかったが、それらはすべて壊され、中身は持ち去られていた。これらの壺は、もともと洞窟の壁に掘られた隠し穴に収められていたようだ。

 それでも現場にはいくつかの遺物が残っていた。巻物を縛る革ひも、巻物を包む布、1950年代のさびたつるはし2本などだ。こうした手がかりから、この洞窟ではかつていくつもの巻物が土器の壺に保管されていたが、何十年も前に盗掘者に持ち去られたということがわかる。

「ここで発見された手がかりは、この洞窟にかつて巻物が存在し、それが盗まれたことを明確に示しています」。イスラエルのヘブライ大学の考古学者で、今回の発掘調査を統括したオレン・ガットフェルド氏はそう語る。

増える盗掘

 洞窟ではこの他、何も書かれていない羊皮紙片も発見されている。同プロジェクトに協力した米リバティ大学のランデル・プライス氏によると、近年、古代の羊皮紙は人気が上昇しており、市場で高い値が付くようになっているという。こうした品を流すのは、大半は盗掘者で、近年では特に死海周辺の洞窟が狙われている。

 イスラエル考古学庁(IAA)によって逮捕される盗掘者の数も増加している。盗掘者はたいてい、夜に紛れて洞窟に入り込む。盗掘の増加を受け、IAAは「オペレーション・スクロール」計画を立ち上げ、改めて一帯にある洞窟の発見と組織的な調査を進めている。

 その目的は「死海文書が存在する可能性のある洞窟の発掘調査を管理し、この知識が歴史の中へと失われていくのを防ぐこと」だとプライス氏は言う。一帯にはおそらく、近々調査を行うに値する洞窟がさらに50カ所ほどあるとみられている。

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最終更新:2/15(水) 7:20

ナショナル ジオグラフィック日本版

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