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「WBCはテキトーにやりますよ」。中田翔がそう繰り返す真意は?

webスポルティーバ 2/17(金) 11:55配信

■中田翔インタビュー(前編)

 日に日に迫るWBCに照準を合わせながら、その先にはプロ10年目のシーズンが待っている。順調なら国内FA権を取得するなど、2017年は中田翔の野球人生において大きな節目のシーズンとなる。だが、中田の心は揺れていた。

【写真】届かなかったWBC、無念の思いを激白したこの選手

「難しいよね、難しすぎる。シーズンの準備だけなら、この時期にこんなに振らないし、もっとゆっくり調整しているから。正直……ものすごく不安。WBCを戦ったあとのレギュラーシーズンに対する不安が、今はかなり大きいですね」

 中田翔という男は、おそらく世間で知られている印象とは違い、非常に繊細な一面を持っている。”怪物”と評されていた大阪桐蔭時代、3年の春先からバッティングに悩み「もうホームランは打てないかも……」と大真面目に口にしていたことがあった。また、ドラフト前にも「指名がなかった夢を見た。本当にかからなかったら、どうしたらいいんですかね」と、やはり真剣な表情で語っていた。

 こうした人間臭さも中田の魅力であり、多くのファンを引きつける理由なのだが、日本代表の中軸として、そして連覇を狙う日本ハムの4番として、今の中田はもがいていた。

「(WBCに出場する)どの選手も悩んでいると思うけど、シーズンへの気持ちの持っていき方がホント難しい」

 前回の第3回WBCでも中田は日本代表として戦ったが、「WBCもシーズンもうまくいった人っていた?」とつぶやき、こう続けた。

「前回のときは、阿部(慎之助)さん、長野(久義)さん、坂本(勇人)さんがシーズンで苦しんでたよね。あれだけの舞台で戦ったら、やっぱり燃え尽きて……そこからもう1回だから。特に前回は準決勝で負けてしまって、とにかくガクッとなってしまった。オレみたいな立場の選手でもそこまでなったんだから。だってあのとき、オレは最年少だよ。それであそこまでなるんだから、今回終わってどうなるのか……」

 今や日本代表の常連となり、前回とは立場も大きく違う。それだけに、中田にのしかかる重圧は4年前とは比べものにならない。

「こう見えて、いろいろ気を遣うタイプやから(笑)。もちろん日本代表に選んでいただいたからには、結果で応えたいし、小久保(裕紀)監督を喜ばせたい。それは当たり前に思っている。その上で、そのあとに始まるシーズン。今年は意地でも結果を残したい。WBCで頑張りました、でもシーズンでは数字が上がらない。絶対にそうはなりたくない」

「そのへんの高校生が打っていた方が飛ばしていたと思う」と笑ったキャンプ第1クールは、バッティングの感覚を取り戻すために時間を過ごした。そして第2クールでは快打を連発。フリーバッティングの打球も気持ちよさそうに飛び始め、「しっかり体をつくってきたから違ったね」と手応えを口にした。

 このオフ、中田はハワイでトレーナーのケビン山崎氏と徹底した肉体改造を行ない、戦いに備えた。体重は昨シーズンより8キロ落とすなど、ひと目でシルエットの違いがわかるほどだ。

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最終更新:2/17(金) 11:55

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